星に願いを託す 星まつりものがたり
星に縁のある場所 小豆島霊場第31番札所 妙見山 西蓮院 誓願寺
国の天然記念物である樹齢1000年を超える見事な蘇鉄のあるお寺
住職 24世 関口慈蘊(じおん)さん
奥様 真利さん
入寺されて7年。
お寺を引き継いだ当初は、お遍路さんを遠ざけるように、
草で覆われていた石庭とそれに続く本堂。
お二人は、地元の方たちの協力も得ながら本来の姿をよみがえらせました。
< 奥様:関口真利さん> 心掛けていること
お寺がきれいになって皆さん「別のお寺のようだね」と喜んでいかれます。
お庭を整えることは相当苦労し、以前は本堂も入れない状態だったため、きれいになって
お越しいただいた方に、喜んで頂けることで報われる思いがします。
お遍路さんはお寺に参拝することに慣れていらっしゃいますが
それ以外の方にとって、お寺はまだ敷居が高いので
柔らかく、親近感を持ってもらえるような接し方を心掛けています。
ここは北極星の化身である妙見菩薩(天部)を拝する妙見山
寺伝によれば開僧は行基菩薩で、奈良時代に大仏の勧進をして全国を回っていた
小豆島を巡錫していた時、この地が 『 四神相応の地 』
北に山、東に川、南に海もしくは池、西に大きな道が揃っている地形
であることに気づき一夜を明かそうと祈りを捧げていた時
北極星が胸に飛びこみ懐に入った体験から、霊地であるここに庵を結んだとあります。
そのご縁があったので、弘法大師空海さまが小豆島を巡錫し、
この地の庵に滞在したときに、行基菩薩を偲んで山号を妙見山
誓願寺としたと伝わる、星に縁のあるお寺です。
歴代の住職も熱心に星まつりをしてこられてはいたものの、後に廃れていたところ
関口住職が復興されました。
星まつりとは?
< 関口慈蘊(じおん)さん>
星とは、古代から人の運命を司ると考えられてきました。
星まつりは、星にお願い事をすることです。
星の運命が強くなり太陽が弱まる冬至から節分までの40数日間、
毎日星のお祭りをしています。
例えば、厄年は悪い年といわれます。
火曜星(かようせい)(大凶)
羅睺星(らごせい)(大凶)
星まつりでは悪い年が巡っているときにはその星の力を軽減するように祈ります。
一方、良い年とされるのは
月曜星(大吉)
木曜星(大吉)
日曜星(大吉)
良い年は、力の強い星に祈りを捧げてさらに威力をもらえるよう祈ります。
星まつりでは独自の手法があり、毎晩、星の出ている時間に行います。
欲にまみれていても… 願い事が許される 星まつり
< 関口慈蘊 さん>
北斗七星を拝む祈祷などは
寿命を延ばしたいという世俗的な願いに応えるもの、ほかにも富貴を得たいという人々の
お願いをかなえるために祈祷するものです。
「人間の欲求が一つ減ると煩悩も一つ減るのです。増えていかなければ仏様も喜ばれる」
方便(ほうべん)という考えは、人々を救いとることを通して、真実の仏道に引き入れる事。
ですから、安心して自分の願い事をしていただければ良いのです。
密教は人々の欲を全く否定していません。
私自身が悟りたい、人々を救いたいと思うことも煩悩の一つ。
欲とは人間が生きていくために必要なものであると私は解釈しています。
事故の無いように
怪我の無いように
病気をしない様に
基本的な人間の願いだと思います。
少しでも役に立てれば。。。
大きな厄は小さな厄に
小さな厄は無くなるように。
小さな幸運は大きな幸運に
願いを預けに訪れたい場所。
小豆島霊場第31番札所 妙見山 西蓮院 誓願寺
・・・追記です。
番組では、詳しくご紹介できませんでしたが…
宿曜道とは?
宿曜教という密教経典があります。
弘法大師空海が唐の国から持ち帰ったものですが、
その経典の一部に占いに似た記述があります。
また、梵天火羅九曜(ぼんてんからくよう)に星祭りの仕方が書かれており、
それを基にして行うものが星まつりです。
「宿」は潜在的な個性を導く考え方
「宿」とは、この世に生を受けたものは月の軌道に影響を受けるという宿曜道の考え方。
生年月日を宿曜道に照らし合わせて、潜在的な個性や適職などを見ることができます。
北斗七生によって生まれた年を当てはめて「宿」を割り出します。
一年ごとに巡ってくる運命を左右する星を「当年曜・九曜宿(とうねんようくようしゅく)」と呼びます。
その人の吉凶を占い一年間の幸福を祈り、災いを除くよう星祭を行うのです。
こちらでは27宿と曜日7つの組み合わせ189通りで見るのが基本。
インドの宿曜占星術が中国に渡り一常禅師により改良されたものを
弘法大師空海が持ち帰ったといわれています。(関口慈蘊さんのお話より)
誓願寺の星まつり興味のある方は、是非!毎年10月から受付がはじまります。
出来れば「冬至」までにお問い合わせください。(冬至から星まつりがはじまります!)