STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年02月27日放送分

出会い・伝え聞き・体験し、そして繋ぐ遍路道物語

2月23日日天皇誕生の祝日

四国をぐるりと繋ぐお遍路道を点検する

一日一斉おもてなし遍路道ウォークが開催されました。

ことひら電気鉄道 志度線 八栗駅

午前9時前 ハイキングや山歩きをするような

出で立ちの人々が降りてきます。

みなさん首から下げているのは、

今回の点検ウォークの参加者に配られたタオルマフラー。

そんな中、

持ち物の確認し合う小学生の女の子たちの姿がありました。

ガールスカウト香川県連盟第1団

リーダーと呼ばれる指導者と小学生、その保護者の7名で参加です。

お遍路文化に触れる、初めての遍路道ウォーク。

参加する彼女たちの案内役を買って出てくれたのは

遍路とおもてなしネットワーク常任理事 北山健一郎 さんです。

「おはようございます。皆さんお手元に点検用紙が配られていると思います。

チェックシートはありますか?

この一日一斉おもてなし遍路ウォークというのは、

四国遍路という昔の弘法大師という偉いお坊さんが歩いた足跡である

八十八ヶ所のお寺に寄って、スタンプを頂いたりするツアーがあるのです。

もう300年以上続いている四国に深く根付いた文化です。

そういった遍路道が今も残って何百年も続いているので、

中には危ないところがあったり

この辺りにちょっと休憩場所があるといいな

というところがあったりします。

皆さんの目でそういった気づいたこと、

道の端が壊れているので危ないなど、

そのシートに書いてもらいます。

今日の感想を書いていただきます。

この四国中で同じ活動をやって、遍路道歩くと1200キロ

1000人を超える人が一斉に歩いて点検をします。

皆さんの代まできちんと繋げていこう

『四国遍路というのは素晴らしいところだよね。』

と伝えていきたいなと思って始めた活動ですので、

今日は皆さんにもご協力いただきます。

 

今日彼女たちが歩く遍路道を

北山さんに紹介していただきました。

《北山さん》

「八栗寺に向かう遍路道というのは、屋島から東側を降りてきて

市街地を抜けて、ケーブルの駅があるのですが

そのケーブルの脇を抜けて

八栗寺の本堂の手前に出る遍路道があります。

ケーブルを使う道とは違って

坂がきつかったりするのです。小学生には、しんどいところもあります。

中には八栗寺に祀られている「歓喜天」という

聖天さんの鳥居もあったりします。

道々に仏様もありますし、

最後のところは舗装されていない

「七曲り」という古くから使われている道もあります。

その遍路道には西国三十三番の石碑像を

たくさん見られるところがあります。

ちょっとしんどいですが、楽しんで登ってもらえる道ではないかと思います。

約1時間弱の道のりになるかと思います。

今日は小学生と一緒にその道を点検しながらいきます。」

「これお地蔵さんがあるでしょう。

建てた年代があります。読みにくいけれど江戸時代の年号で「享保14年」

小学生のみんなは知っているかな?

暴れん坊将軍。一緒のお母さんは知っていらっしゃいますね。

8代将軍 吉宗が治めていた時代がちょうど「享保」

その頃に建てられたお地蔵さん。

道行くお遍路さんのお地蔵さんの安全を見守ってくれています。」

「じゃあこの辺でストップしようか。

今、歩いている人は舗装された道を歩く人が多いのです。

だらだら行くけれど、距離は長い舗装された道」

《北山さん》

「元々の遍路道はこちらなのですよ。」

*着物を着た人の指先が舗装されたみちではない

山道を指していました。

《子どもたち》

「えー(道ないよ?)」

ガードレールがあり、

行っても良いように見えなくなっていました。

私たちは、今からこちらの道から山に入っていきます。

ここも点検しないといけないのですよ。

「勾配はきついけれど、距離は短いのですよ。」

 

《北山さん》

「左本堂と書いてあるでしょう。」

《北山さん》

「すごい!頑張ったね。

しんどかったな。大丈夫?

八栗寺の本堂は向こうなのですが、ここはもう八栗寺の境内です。

今登ってきたところは八栗寺の一番西側になります。

本来はこう登ってきて、お参りをするのがルールなのですよ。

折角来たのでお参りしましょう。」

 

お参りを済ませた彼女たちはミッションである

報告作業をします。

報告はスマホから

小学6年生が2人で行います。

「このQRコードを読み取ってね

香川46 ガールスカウト香川県

歩いた人数…7人」

「できた!」

ミッションコンプリート

道中では他の参加者には出会いませんでしたが

別の参加者が声を掛けてくれました。

到着した時の写真を撮らないといけないので

一緒に撮りませんか?

報告を完了した彼女たちに

感想を聞きました。

橋川奈央さん 6年生です

「今日参加してみていかがでしたか?

世界遺産の登録に繋がるとあったので、そういうのに携われて良かったです。」

山口柚香さん 4年生です

「来るときの森の中に、木や根っこがあったので

そういうところに気を付けて今度来るときは歩いてみたいです。」

お遍路さんに歩きやすいように何かしてあげられることはありますか?

「森の中の葉っぱを拾って

お遍路さんの足元を見やすくしたいです。」

前田蒼佳さん 6年生

「お遍路道には狭い道や斜面が多く大変でしたが、

一つでも良くなってお遍路さんが世界遺産になるといいなと思いました。

ゴミ拾いなどをして、歩く道をきちんとつくるような

手伝いができたらいいなと思います。」

《北山さん》

ただ単に歩くだけじゃなくて

四国遍路というのは江戸時代の頃から

伝わっているものであって

中には道しるべがあり、

丁石とかいろいろなものがあり

きつい山道もあったのにみなさんきちんと歩いてくれましたね。

それぞれ気付きシートにいろいろな事も書いていただいていたので

主催者としてはありがたかったと思っています。

「皆さん気を付けて」

「ありがとうございました。」

 

一方、こちらは81番白峰寺から82番根香寺までを繋ぐ遍路道。

多くの点検ウォーク参加者が集っていました。

NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク理事長 松田 清宏 さんが

折角の機会だからと、

ルートから少し離れた細い道へと参加者を案内します。

ここはお遍路さんの墓標があるところ

江戸時代のもので

播磨の国からお遍路さんが志半ばで命を落とした

地元の人達が建てたものではないかと言われています。

《松田さん》

亡くなった人は播磨の人

こちらを見ると播磨の国が見える。

この道は、ここだけ開けているのです。不思議なことに…

あとは森の中です。

ここにご遺体を埋めたとは思えないのだけれど、

それは下の集落などできちんと葬って、

墓石だけは自分の出身地の方を向いて

眠らせてあげているという配慮なのです。

江戸時代・文政…

 

昔の遍路道であったのだろうけれど、

今はあまり歩かれる方はいらっしゃらないのですか?

《松田さん》

「この辺りたくさんルートがあったと思うのです。

固定されているわけではなかったので、いろいろなルートがあったのです。

よく歩かれているルートはよく保存されて、残っている。

あまり歩かれなくなったルートは最後

自然に戻っていたかもしれない。

今の遍路墓のところは、どちらかというと

自然に戻っていたルートです。

それを見つけて、この辺の人たちが再度整備をして下さって

あの遍路墓まで行けるようになったのです。

僕が最初に来たときは、あんなに今日のような状態ではなく

本当に踏み分け道、獣道でした。

その後、地元の人々が遍路墓についてもわかって下さって

鬼無の方まで降りることもできるので、きちんと整備されて

今日のような綺麗な道になったのです。

変わっていくのです。生活道とは違うのです。

人が通れば残っていくし、

人が通らなかったら自然に還っていくのです。

そこはちゃんと毎年定期的に点検していかないと

道の保存はなかなか難しいのです。

意味あるイベントですね。

 

《松田さん》

「一年に一回みんなで回ってもらったら

ほんとに今どうなのか、何が必要なのかがわかるのです。

これからも大いに皆さんに手伝ってもらってやっていきたいと

思います。

たくさんの人に歩いてもらって良かったと思っています。

天気も良かったし、

みなさんコロナ対策も万全にして参加していただいたので

いい結果が出るのではないかと期待しています。」

この番組は、radikoでも お聴きいただけます

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