STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

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毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年02月27日放送分

遍路道物語~点検ウォークを体験して想う

2月23日天皇誕生日の祝日に行われた

一斉点検おもてなし遍路道ウォーク。

ガールスカウトの子どもたちと一緒に

八栗駅から市街地を抜け、ケーブル横を通って

山を沿う遍路道を点検しました。

遍路道と言っても、道は一つではありません。

八栗ケーブルから八栗寺に向かう遍路道は

舗装された道が通っており、

一見するとその道以外にないように見えるのです。

 

ここに遍路道点検の神髄がありました。

時代を経て、山頂にあるお寺まで

車やバスで向かうお遍路さんのために

舗装され、カーブの場所はガードレールが施されています。

ただし、ガードレールのその先に

江戸時代から続く

歩き遍路のための道がある…

お遍路さんの安全のために新しく舗装された道が、

古来から続く歩き遍路道を、わからなくさせてしまう。

点検場所の参加者数は香川県では最も多かったのですが、

他の参加者と出会うことがなかった理由がこの辺りに

ありそうです。

お遍路さんが歩かないことで

道を更に風化させていってしまうことを

実際に参加してみて、初めて知ることとなりました。

古い遍路道にはお地蔵さんをかたどった丁石が多く存在します。

そのうち一つは、崖から落ちていました。

参加した子どもたちから

「助けてあげてください」との声が上がります。

北山さんによりますと、こうした丁石を

メンバーが調査し、保管して分析して

置かれていた場所に戻していく活動が

続いているとのことでした。

人々はお地蔵さんをみると、心を寄せ、お皿を置き

お供え物をするのです。

しかし、その管理していた人々もやがては

この世を去り、

水を入れた器や食器、花を供えた花器だけが

残されます。

遍路道は便利な舗装された道に人々が流れて、古い遍路道は

朽ち果てて、お地蔵様に供えられていた器が風雨にさらされて

破損し、危険なものとなっていく・・・・

昔の人々のお地蔵様ものどを潤すようにと

置いていったやさしさが、

受け継がれなければ

危険なものとして現在に残されていくのです。

また、一方で行く人を励ます現代の道しるべを残す人もいます。

遍路道の崖の上に、トルコ土産の魔除けに

刻まれた文字に背中を押されました。

「あと少し、がんばれ」

 

帰り道はケーブルを使いました。

そこで名古屋からのお遍路さん3人と出会いました。

「今日は何かあるのですか?」

と声を掛けられました。

この日に行った前のお寺でも、同じタオルマフラーの

人々を見たとのことでした。

目的を話すと

「知らなかったです。

そんなことをしてくれているのですね。

本当にありがとうございます」

と先達さんが感謝の言葉をくださいました。

次に向かうお遍路さんに

「ようお参りでした」

と子どもたちの案内をしてくださった北山さん。

お遍路さんを労う言葉に、またやさしさを感じる遍路道物語でした。

この番組は、radikoでも お聴きいただけます

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