STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年04月17日放送分

四国遍路を世界に繋ぐ通訳ガイドの物語

四国遍路を体験する外国の方をサポートし

お遍路文化を伝えようと準備を整えている四国遍路通訳ガイド協会

コロナ禍での活動の様子を伺いました。

四国遍路を世界に繋ぐ通訳ガイドの物語です。

四国遍路通訳ガイド協会

会長 大山愛さん

 

《大山さん》

「四国遍路通訳ガイド協会は

2019年の11月に立ち上げた団体で、

通訳案内士(外国語でガイドができる人たち)が

集まって勉強していこうと集まっている会です。

全国通訳案内士は国家試験に受かって得られる資格で、

あとは地域通訳案内士というものは各県が認める資格です。

 

私が全国通訳案内士の資格を取ったのが2016年なのですが、

そもそもこの資格を取ったきっかけが

「四国遍路の案内をしたい」

という想いがあって、この資格を取り

全国通訳案内士の勉強を始めた頃に一緒に

お遍路の先達を取るために

お遍路も始めました。」

どういうきっかけがあったのですか?

《大山さん》

「四国遍路だと四国にしかない文化であり、

外国の方に日本の歴史や文化・習慣が伝えられる。

四国にしかないものを伝えたかったので

『四国遍路』かなと思いました。」

 

それまでに四国遍路は行っていらしたのですか?

《大山さん》

「2016年から四国遍路を回り始めました。

それまでもお遍路経験はないです。

私の家族でやっている人もおらず、周りにも

お遍路に行っている人はいないです。

私の中の「四国遍路」の印象は

小学生の時に、私の家の近くを白装束で歩いている人たち。

何なら、宗教じみた人達みたいな。

そんな印象だったので、どうして「四国遍路」を選んだのか

わからないのですけれども

これを私が伝えることによって

四国の独特の文化とか香川県の良さとかを

伝えられるのではないかと

「四国遍路」にしました。」

 

大山さんは「お遍路」をどのように始めたのでしょうか?

《大山さん》

「自分でも車で回ったのですが、ツアーにも参加したのです。

ツアーに参加すると先達さんが弘法大師の話とか

お寺の話をしてくださるので

それも結構楽しかったです。

うん、深いなと思いました。

すごくいいご縁をたくさん頂きました。

1周目の2日目に回ったところ。

徳島の四国霊場第13番札所大日寺というところがあるのですが、

そこで外国人を案内している団体がいたのです。

「わっ、これ、私がまさにやりたいことだ!」と

思って声を掛けさせてもらいました。

そしたら、

その中に櫻谷和香(さくらやわこう)先達という方が

いらっしゃって、その方とお話をさせていただきました。

「私はこういうことがしたいのです。どうしたら良いですか?」

というようなお話をさせていただきました。

その櫻谷先達とは徳島で出会いましたが、香川の方だったのです。

櫻谷先達は、次の日に私がやっている英会話教室に来てくださって

そこからのご縁で繋がり、今もお世話になっています。

大先達、私の師匠です。」

 

巡り始めで、出会ったのですね。

《大山さん》

「そうです。

そのあと櫻谷先達がされているバスツアーに参加させていただいたり、

先達を取るにはお寺のご紹介が必要なのですが、

それも櫻谷先達が良くご存じであった出釈迦寺で

紹介していただいて、私も先達となりました。」

 

ここで、改めて「先達」についてお聞きしました。

《大山さん》

「先達は四国八十八ヶ所霊場が認定した

やさしく言ってみればガイドだと思います。

これは日本語のガイドですが、

先達を取るにはまずはお遍路を4周回って

どこかのお寺から紹介を頂ければ先達になれます。」

和袈裟が先達さんは違いますよね?

《大山さん》

 

「はい、先達さんになると四国霊場から頂けます。

和袈裟とオレンジ色の先達さんの金剛杖が

頂けます。」

 

仕事として四国遍路の通訳ガイドを志し

様々なステップを踏む中で

大山さんは心の変化を感じられたと言います。

《大山さん》

「好きにはなりますね。お遍路のことを。

だから最初は、仕事だと思って始めたのですが

「お遍路っていいな」と思います。

だからよく「お四国病」という言葉があると言われますが、

わかりますもの。

ちょっとしばらく行っていないと、

「また行きたいな」と思います。

やはり、行ってみると気持ちいいのです。

自然の中を歩くということもありますし、

お経を唱えたりすることで、やはり清々しい気持ちになります。」

 

始めたばかりの時には

「般若心経」もスラスラ読めないですよね。

《大山さん》

「はい。ツアーとかに入ると先達さんと一緒に唱えるので

リズムもあるので、何回も何回も唱えるうちに

覚えてきます。

お遍路のやり方ももちろんわかります。」

バスツアーというのは、そういう意味でいいますと

あまり準備なく入っても大丈夫?

 

「大丈夫です。バスツアー楽しいですよ。

お寺回るだけじゃなく、道の駅とかにも

寄ってくれます。

バスの中でお友達もできます。

楽しいです。

本当にお遍路を始めて、知り合う人たちって

良い人達が多いのです。

やはり「良いご縁」が多いですね。

お遍路を回り始めて

何を得たかと聞かれると

そこを一番に言います。

「良いご縁」を頂いたと!」

 

今、四国遍路通訳ガイド協会は

何人ぐらいの方が参加されていますか?

「今、メンバーは25名です。

香川の方がほとんどなのですが、あとは

徳島と高知、愛媛の方もいらっしゃいます。」

 

会としてはどんな活動をされていますか?

《大山さん》

「今はコロナ禍でどうしても

インバウンドのお客様が来られないので、

研修がメインになっているのです。

研修は例えばお遍路について勉強するとか

実際にお寺に行ってみるだとか

歩き遍路体験をやってみるなどをしています。」

 

先日もそういった歩き遍路体験があったそうですね。

 

《大山さん》

「3月27日に「焼山寺道」を歩いてきました。

焼山寺道は11番札所の藤井寺から

次の12番札所焼山寺までを行く山道です。

これがお遍路を回り始めて最初の

「遍路転がし」と言われていて

結構ハードな山道です。

距離は13キロくらいだと思います。

13キロなのですが、山を2つ超えるのかな。

時間的に5時間から7時間。

私たちのグループは5時間半で焼山寺に着きました。

ゆっくり写真を撮りながら、休憩をしながら行くと

7時間くらいかかると言われています。

すっごく綺麗な道ですよ。

自然も山も綺麗ですし、やはり地元の方が

綺麗にお掃除されているのでしょうね。

綺麗な道です。」

割と想像より歩きやすいのですか?

《大山さん》

「歩きやすいのは、歩きやすいですよ。

あとは体力の問題です。

私たち去年の3月に1番から11番までは

歩いたのです。

2日かけて歩き遍路を体験したので、

11番までは終わっているから

次は「焼山寺道」だなって。

あとはやはり「焼山寺道」は

外国人の方にも人気があって

私たちも経験しておこうというのもあって

やってみました。

この2年間、ガイドの仕事がほとんどなくて

外国人がほとんど入って来られないので、

代りにすごく研修がたくさんあったのです。

私たちの会ももちろん研修をやっていますし、

色々なところで行政が絡んでくる

研修がたくさんあったのです。

歩き遍路を体験する機会が

私自身も多かったので、

やはり今後歩いてお遍路体験されたい外国人も

増えてくると思います。

その人たちを案内するにあたって

歩き遍路を経験してきているのは、

そこは大きいと思います。

今メンバーは25名ですが、もっともっと

会のメンバーも増えてくれて

四国遍路を外国の方々に伝えてられるガイドが

もっともっと増えてくれたらと思います。

 

四国遍路は世界遺産に登録される可能性があるので、

世界登録されるとたぶん外国からすごくたくさんの人達が

やってくると思うのです。

その時に慌てて準備するのではなく、

今のうちに地元のガイドが

四国遍路をうまく外国語で伝えられるように

準備を重ねていきたいと思っています。」

今回は四国遍路を世界に繋ぐ

通訳ガイドの物語でした。

番組は、radikoでも お聴きいただけます

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