お宝ファイル NO.45 稲木前池オニバス保存会.
善通寺市お宝ハンター 岡 加依子です😎✨
謎ボスからの指令(ヒント)
【天然記念物のオニを探せ!】
この看板をたよりにやってきましたJR金蔵寺駅の南西にある稲木町の前池。
こちらには善通寺市指定文化財、唯一の天然記念物である「オニバス」が自生しています。
オニバスの保護活動をされている「稲木前池オニバス保存会」
会長の大西周二さん、副会長の松本健さん、 斉藤 賢一さんにお話お聞きしました。
オニバスは大きな葉(最大2m近く)が水面に浮かぶスイレン科に属する一年草。
葉っぱにある鋭いトゲトゲが鬼のようにゴツイ!というのが名前の由来だそう。
香川県の希少野生生物、環境省レッドデータブック絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
前池では例年、お盆からお彼岸にかけて大人の親指くらいの大きさの繊細なお花を咲かせているのですが、そのような池は全国的にみても大変珍しいのだとか。
今年もそろそろかなといそいそと前池に行ってみると。。。
大西さん 「今年は咲いとらんのや」
岡 「なんとな?!」
前池の横に掲示されている【オニバスの一生】によると。。。
4月頃 種子から発芽
5月頃 ハート型の浮葉が水面に浮く
6月頃 ハート型からだんだん丸型の浮葉へ変化
7月頃 トゲトゲの生えた成葉に。
8月頃 つぼみが出来て、ごく一部が開花する。
9月頃 大部分のつぼみは開花せずつぼみのまま自家受粉して果実を作る。
10月頃 果実の中にパチンコ玉のような種子が50個以上出来る。
11月頃 果実が破れてゼリー状の仮種皮に覆われた種子が水に浮かぶ。仮種皮が腐ると種子は池の底へ沈む。
大西さんに聞くところによると、今年も6月頃に葉っぱが出来ていたのに、7月以降黄色や茶色になり、溶けるようになくなってしまったそう
猛暑が影響したのか、ヒシとの生存競争に負けてしまったのか、はっきりした理由は分からず。
平成最後の2~3年は数えるくらいしか咲かなかったり、2020年は池一面に咲いたり(しかも7月から咲き出した)年によって異なるのだけど、全く咲かなかった年は平成以降では思い当たらないということで保存会のみなさんも大変、落ち込んでいました
オニバスの種はドングリのように固い皮に包まれていて「そろそろ花咲かせようかな」と環境が整うまで何十年も池の泥の中で眠り続けるそう。
前池ではこれまで毎年咲いていたのが奇跡だったんですね
田んぼに使う水を出したり、足したりすることがオニバスの生育過程にぴったりだったのかなーと仰っていました。
大西さんが子供の頃は、向こう岸まで約100m泳ぎ切って一人前!だったそう
その頃から当たり前のようにあった「オニバス」。
2002年に「四国のみずべ八十八カ所」に選ばれオニバスの存在や価値が知られるようになり、2004年に善通寺市の天然記念物に指定されたのをきっかけに、前池の保全管理する水利組合と自治会が「オニバス保存会」を立ち上げることに。
年に2回草刈りをしたり、池を一周できる道を作ったり、地元の人のご尽力により現在の前池は保たれています。
よーく見ると、かわいいエビさんがたくさんいる!!!
冬になるとたくさん野鳥もやってくるのだとか。過去には白鳥のカップルが住んでいたことも
バブルの頃に県内多くのため池でコンクリートの堤防を作る大改修が行われた時も、前池はオニバスのためにならないと土手のままの状態を残したのだとか。
確かに讃岐人にとって、ため池はごくありふれた存在だけれど、昔のままのため池はかなり少なくなっていますよね。それだけ「前池のオニバス」は地元の方にとって大切なものなんですね
前池オニバス保存会のみなさんが熱心に整備や見守り活動をされていることを知ってから見るのと、知らないで見るのでは全くありがたみが違います。
大西さん 「今年は残念やったけど、来年は咲くようにしたいし、咲いてほしいし…頑張ります!!」
はい!!来年のオニバスはもちろん、生き物を見たり、お散歩したり、また遊びに行きますね
お車でお越しの際は、この看板が目印。グーグルマップは「稲木前池のオニバス」で検索を。
池の横に数台停められるスペースがありますが、地域の方の車両が通行する細い道ですので、ご迷惑にならないようご配慮ください。
詳しくは 善通寺市デジタルミュージアム 前池のオニバス をご覧ください。
お宝ファイル NO45
天然記念物のオニバスを守り、未来へ繋ぐ、稲木前池オニバス保存会