3月31日/ 瀬戸内海歴史民俗資料館.
この日のゲストは五色台の中腹にある「瀬戸内海歴史民俗資料館」元館長の田井静明さん。
1年間の有人島での取材を振り返りながら、専門家として調査を進めて来られた田井さんの思う『島の文化の魅力』や『これからの島文化』についてお聞きしました。
個性的な石積みの建物が特徴の「瀬戸内海歴史民俗資料館」は、2023年11月に開館50周年を迎えました。館内には瀬戸内の島を含むくらしや産業の資料が多く展示されています。学芸員のみなさんも積極的に島へ調査に出られ、お祭り・行事を中心に消えつつある民族文化を記録されています。
3月にサンポート高松で開催された「せとうち島フェスタ」では過去の有人島調査についてのパネル展示が。中でも衝撃的だったのは、島の人口推移。ほとんどの島でかなりの人口減となっています。
昔の行事・風習が受け継がれにくくなっていますが、新しい人たちによる新しい行事ができている島も。それも含めて島の民族文化であり、暮らしであると田井さん。移住者と島民がうまく化学変化を起こして新たなものを生み出していく今後に期待したいという気持ちがあるそう。
むしろ島の方が新しい文化を持ち合わせていることも。来年は取材を進めている粟島の外国航路の船員さんの持ち帰ったお土産を展示する企画展も企画されています。『ちょっと中に入ると自分たちが知らない広がりがある。知れば知るほど深い。それが島の文化の魅力!』とおっしゃる田井さんの言葉が印象的でした。
瀬戸内海国立公園指定90周年記念の今年、田井さんがおすすめするのは『国立公園の展望地から見る瀬戸内の多島美』。昭和10年前後は、景勝地としての役割以外に健康増進のためのスポットとされており、国立公園内展望地へのハイキングが推奨されていたそう。今年は香川県内にある展望地までハイキングして、その上からの多島美を楽しんでみてくださいね。「瀬戸内海歴史民俗資料館」の屋上もおすすめの展望地です。
■瀬戸内海歴史民俗資料館
場所/高松市亀水町1412-2(五色台山上)
開館時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜(月曜が休日の場合は翌日火曜が休館)
観覧料/無料
アクセス/JR高松駅から車で約25分
お問い合わせ先/087-881-4707
公式サイト https://www.pref.kagawa.lg.jp/kmuseum/setorekishi/index.html