10月20日/高松市・大島 月に一度の島内限定ラジオ「瀬戸内放送局 大島アワー」.
番組を制作する「NPO法人 瀬戸内こえびネットワーク」の大島担当 笹川尚子さんにお話をお聞きしました。
高松市の東沖に浮かぶ白砂青松の美しい島、大島。島全体が「国立療養所 大島青松園」で、現在ハンセン病から回復した29名・平均年齢86歳の入所者さんが暮らしています。
病気の後遺症のため目が不自由な方が多く、その方々のために『盲導鈴』と呼ばれるオルゴール音のスピーカーがまちの分かれ道や建物の前に置かれています。
そんな中、月に一度だけ放送されるのが島内限定ラジオ「瀬戸内放送局 大島アワー」。「NPO法人 瀬戸内こえびネットワーク」が制作し、毎月最終木曜の15時から福祉室の放送室よりオンエア。音源はカセットテープに入った状態で高松から運ばれ、笹川さんのはじまりのアナウンスのあと再生ボタンが押されます。
2014年に高松市が大島振興方策を策定し、2015年に国の離島振興対象地域となった大島。
さまざまな取り組みを行う中で、大島の自然やアート、ハンセン病の歴史を子どもたちに伝える「大島サマースクール」が2015年から実施されています。そこに参加している子どもたちの声を入所者のみなさんに届けよう!と出来上がったのがこの番組。もともと大島青松園では「放送劇同好会」という活動があり、目の不自由な入所者さんに好評だったことから『ラジオ』というかたちを選んだそう。
大島で起こった出来事、瀬戸内海の島々で起こった出来事、瀬戸内国際芸術祭のアーティストからのメッセージコーナー、お誕生日を迎える入所者の方のお名前を読み上げてお祝い…いろんなコーナーが詰まった15分間。コロナ禍前には入所者の方に趣味やクラブ活動を聞くコーナーも。畑仕事が趣味の方なら畑で、カメラが趣味の方にはカメラを持ってるときに取材を行っていたのだとか。
2010年から長く大島に通う笹川さん。「大島アワー」の取材を通じて、メディアには出てこない入所者の方の話を聞いていくと、何度もここに通いたくなるのだとお話されていました。
みんなで力合わせて生きてきたこと。
その間にも面白いエピソードがあったこと。
素のままの大島の日常が「大島アワー」の中にあるのだと、感じました。
■島内限定ラジオ「大島アワー」は一般の方もYoutubeで聞くことができます
「大島アワー」Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC08o-tUFqIqU6lwippNy6HQ/featured
■大島の瀬戸内国際芸術祭作品開館日
2024年11月9日(土)・10日(日)10:30〜16:00
※2024年最後の開館日です。次回は2025年瀬戸内国際芸術祭を予定
※作品については「瀬戸内国際芸術祭」公式サイトをご覧ください。(https://setouchi-artfest.jp)
■大島の活動情報は「瀬戸内国際芸術祭サポーター「こえび隊」公式サイトでチェック!https://www.koebi.jp