2月16日/丸亀市・本島 塩飽大工が建てた意匠の邸宅「吉田邸」.
塩飽水軍の本拠地として栄えた丸亀市本島の北東部にある「笠島集落」。
天然の良港を持ち、三方を丘陵に囲まれた立地を生かし、中世には笠島城(東山城)が築かれました。
城下町と港町の雰囲気を持ち合わせたノスタルジックな街並みです。
江戸時代末期から明治初期にかけての伝統的な建物が残ってることから、昭和60年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
そんな「笠島まち並み保存地区」にある築100年の「吉田邸」は、本島で代々、海運業を営んできた吉田家の邸宅。ここで生まれ育ち、本島と丸亀港を結ぶ「本島汽船」の社長も務められた、当主の吉田稔さんに案内していただきました。
11年前まで吉田さんのお父様お母様が生活されていましたが、亡くなった後は空き家状態に。
しかし、このままにしておくのはもったいない、本島の観光の一端を担えればと9年前に公開されました。
笠島の街を作り上げたのは、江戸から明治にかけて活躍した大工集団「塩飽大工」。
塩飽大工は、京都へ修行に行き、建築や街づくりを学んだそう。
そのため、笠島の家々には枯山水や坪庭など、学んできた技術がいかんなく発揮されています。
築100年の日本家屋と聞き、暗いのかなと思っていたら。。。めちゃくちゃ明るい!
自然光がふんだんに入ってきています。
ガラスは大正ガラス。独特の歪みが味わい深く、入ってくる光も優しく感じられます。
取材日は最強寒波襲来の日。外は強い風が吹き大変寒い日でしたが、縁側はとっても暖かい。
稔さん「日向ぼっこには最適です。」
欄間には、刀の鍔がはめ込まれています。
現代美術にも通じるスタイリッシュで斬新なアイデア!
こういった細部に宿る塩飽大工の匠の技を存分に堪能できます。
本島は、せとうち備讃諸島石の島として日本遺産に認定されるなど石の島として有名でした。
吉田邸のお庭にも、石がふんだんに使われています。
天に昇る竜のような松の木を少し離れたところから眺める。
若い頃はなんとも思わなかったけど、今は何時間でも眺めていられる。四季折々の花が咲き、毎日違った表情を見せてくれるお庭は、稔さんが手入れしています。
某鑑定TV番組で本物と鑑定された「伊藤若冲」の掛け軸の他、多数の美術品をお目当てにいらっしゃる方も。
一度、訪れた方がまた誰かを連れて訪れてくれる、リピーターさんも多いのだとか。
現在は8割が空き家になっている「笠島まち並み保存地区」。
近年は空き家見学会や移住者を募る活動も行われるようになりました。
「ここを次の世代へ遺していくことは私の使命ですね」と力強く語ってくださいました。
【吉田邸】
入場料:大人500円、小人200円、団体割引あり
貸し切りは要相談
電話:090-8692-1827 見学の際は必ずお電話でご予約ください。
本島港から徒歩約30分、自転車約10分
本島汽船の待合所にあるレンタサイクルを利用し、海沿いを走りながら島めぐりを楽しんでみてください。
☆本島へのアクセス情報☆
丸亀港から本島汽船のフェリーもしくは旅客船にて、約20分から35分。
時刻表など詳しくは 本島汽船のホームページ をご覧ください。
丸亀市では今年度から毎月20日を「航路運賃無料デー」とし、丸亀~本島航路、丸亀~広島航路、児島~本島航路の3航路全てで、旅客運賃が無料となっています。
本島・広島の各港には、地元に縁のあるお土産が販売されています。
ぜひ、この機会に丸亀市の離島に足を運んでみてください。
3/22に市制施行20周年を迎える丸亀市。
そこで、3/20(木・春分の日)の航路運賃無料デーでは、丸亀港合同待合所にて乗船者に記念グッズを配布します。数量限定、午前の便に乗って島を訪れる方にお渡しする予定です。
本島の情報は まるがめ せとうち 島旅ノート をご覧ください。
この番組は一週間の間、 radiko でもお聞きいただけます。
また、AuDee では、過去の放送をアーカイブしています。
あなたの島旅のお供に。。。