3月23日/瀬戸内海歴史民俗資料館.
今週と来週は春の特別編。
瀬戸内の島々をはじめ特色ある地域の暮らしや文化、産業の資料が数多く展示されている「瀬戸内海歴史民俗資料館」へ。前館長の田井静明さんにご案内いただきました。
「瀬戸内海歴史民俗資料館」通称「 れきみん」は、昨年12月に国の重要文化財に指定されました。
1970年代に建てられた建造物として初めて指定される国内で最も若い(新しい)重要文化財建造物です。
2年程前から、以前調査した対象の確認調査を始めており、田井さんも島々を頻繁に訪れているそう。
昨年のお盆には三豊市の志々島や坂出市の与島の盆踊りを見学に。
丸亀市の本島にある笠島地区(国の重要伝統的建造物群保存地区)では地元の人と建築士、大学の先生、学生が建物だけでなく文化も一緒に後世に残していこうとしている活動が行われていたり。
また、高松市の男木島はIターンの若い方がたくさん増えていて、昨年は夏祭りが開催されました。
古いものを古いまま残すことも大事ですが、やめてしまうよりは今の在り方に適用するような形で「続けていくために変える」ことも島々で模索されているのだなと感じたそうです。
昭和30年代には文化庁の島の調査が行われており、先日、田井さんが直島を訪れた際、島の方に当時はこんな年中行事が行われていましたという調査結果を見てもらったところ、現在、行っている行事は、ほぼゼロだったそう。
この60年間で伝承も含めて島から失われていっているのを痛感した出来事でした。
自分のルーツである島で行われていたことを、今、島で暮らしている方に知ってもらえるように。
「資料館は地域文化の最後の砦でありたい。」と仰っていたことが強く印象に残りました。
瀬戸内海歴史民俗資料館は高松市亀水町。備讃瀬戸を一望できる景勝地の五色台山上にあります。
5/25まで企画展「伝統と創造Ⅱ 職人の道具」を開催中。
開館時間は9:00~17:00
休館日は月曜日 観覧料は無料です。
詳しくは 瀬戸内海歴史民俗資料館のホームページ をご覧ください。