今回のグランプリは、唯一昨年に続いて協賛した〈しん治歯科〉が受賞しました。連続受賞の難しさだけではなく、これは画期的なことだと思っています。医療機関の広告は一般企業とは異なり表現に様々な制約を受ける、ある意味ではハンディキャップを伴った業種と言えます。そんな厳しい環境の中で、虫歯たちが一本締めをした音を聴かせながら“虫歯はこんなにはっきりと知らせてくれない”と伝えた昨年の大賞受賞CMは、ラジオの医療広告の新しい可能性を明示したとも言える素晴らしいコピーとして高く評価されました。
〈しん治歯科〉では、昨年を超えるCMは無理だろうと思いながら審査を続けていたら、目に飛び込んできたのが訪問治療をテーマにした「ウチの家」でした。在宅のまま歯の治療が受けられる高齢者社会にも相応しいこの取り組みを、社会性とユーモアを両立させながら、さらに高いレベルで表現したこのコピーを見ていると、コピーコンテストに応募してくださるクリエイターの可能性に限界がないことを痛感します。〈しん治歯科〉が昨年に続いてCMコピー大賞に参加した理由も、昨年のCMを高く評価した結果と伺っています。高くなっていくバーを次々とクリアしていくクリエイターの力量に敬意を表します。
準グランプリに輝いた〈濱川学院〉の「超えろ」も"一線を超えろ"という時代を反映した、若々しくリズム感のあるコピーが高く評価されました。CMとして組み立てられた時にどのような掛け合いになるのか、とても楽しみなコピーです。
今や全国のラジオ局で開かれているCMコピーコンテストですが、その魅力は新しい広告主のラジオメディアへの参加、そして課題に挑戦するクリエイターとの出会いにあります。 個々の評価は寸評に書きましたが〈香川手袋〉〈Clinicaみやむら〉〈三好エレベータ〉など、ラジオでは耳にする機会の少ない業種のコピーはとても新鮮でしたし、新しい気付きもありました。
CMは広告主の想いを表現した創作物です。今回の受賞CMがFM香川でオンエアされた時、協賛企業の想いが〔リスナー=消費者〕にどのように届くのか、送り手と受け手双方の評価がラジオのさらなる元気の源になっていきます。
協賛企業の方々、そしてコピーを投稿していただいた皆さん。選ばれたコピーがCMとして花開いていくところを温かく見守っていただけますようお願いいたします。
主婦A: |
ねぇ、ねぇ、ウチの実家、山奥にあるから、 クマが来たことあるのよー |
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主婦B: | ウチも田舎だから、イノシシが来るわ |
主婦C: | ウチの家は、シカが来るわよ、電話したらね |
主婦A・B: | えっ、電話? |
NA: |
歯が痛くなったらお電話ください。 訪問治療も可能です。 しん治歯科 |
音楽: | (雄大なイメージ) |
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男: | 今を越えろ。 |
女: | うん。 |
男: | 自分を超えろ。 |
女: | うん。 |
男: | 限界を超えろ。 |
女: | うん。 |
男: | 一線を越えろ。 |
女: | その言い方、イヤ。 |
NA: |
文系と理系の壁を超えていけ。 新しい予備校のかたち 濱川学院 |
女: | ス マ ホ 代 ~ ! |
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NA: |
スマホ代がこんな感じの人が、 STNetの格安スマホFiimo(フィーモ)にしたらこうなります。 |
男: | ス マ ホ 代 ~・・・ |
NA: |
スマホ代が驚くほど下がります! STNetの格安スマホFiimo(フィーモ)。 |
(実況アナ) | さあ、田中選手、慎重に芝を読んでいます。 |
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(解説者) |
優勝のかかった大事なパットですからね。 今度は月刊不動産ニュースかがわを読み始めました。 |
(解説者) |
賞金で家を建てるつもりですね。 これは読みごたえありますよ。 |
(NA) |
家、土地、満載。 月刊不動産ニュースかがわ。 |
女の子: |
洋服ばっちりなんだけど、なんか違うよねー 帽子? 違う。 バック? 違う。 マフラー? 違う。 |
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母親: | あんた、手袋それしかないの? |
女の子: | あ~これか!! |
NA: | 手元もお洒落しませんか?香川手袋 |
女: |
鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰? さぁ、答えなさい。 ほら早く。 ちょっと、見えてるんでしょ私のこと! |
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NA: |
いいえ、見えていません。 ご来院からお帰りまで、あなたのプライバシーを守ります。 完全プライベートの美容皮膚科、Clinica みやむら |
男性: |
ぼくの姫。 あなたは何て可愛らしいのだ! 赤く染めた頬、まるまるっとした形、 それでいて上品で ・・・ |
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奥様: | あんた~、はよ苺の出荷行ってき~。 |
男性: | は~い ・・・ |
NA: |
愛情込めて作られた苺です。 美味しくて可愛い苺、さぬき讃フルーツのさぬきひめ。 |
SE: |
子供たちの歌声(てるてる坊主の替え歌)が聞こえてくる。 リタリタソ~ラ リタソ~ラ~ あ~した 電気に しておくれ~ リタリタソ~ラ リタソ~ラ~ あ~した 電気に しておくれ~ |
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NA: |
高橋石油の自社ブランド太陽光発電 「リタ・ソーラー」 |
男: |
きみと、日進堂の家で暮らし始めて、もう何十年になるだろう・・・ あれから、きみに増えたものがある。 |
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女: | シワでしょ? |
男: | いや、幸せだろ? |
NA: |
家づくりで、幸せづくり。 おかげさまで50年。 もっと、ずっと、日進堂 |
女: | エレベーターって、男か女か知ってる? |
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男: | エレベーターに男女(おとこおんな)なんてないさ。 |
女: |
エレベーターはね、とっても繊細な機械なの。 優しくしてもらわないと傷つくの。女性と同じよ。 |
NA: |
やさしく乗ろうね。 安全はあなたの使い方とメンテナンスから 45年目の三好エレベータです。 |
※(20歳の娘と、70歳祖父の会話) | |
娘: |
だーかーらー、 唐揚げのそばに、いつもレモンがある! 柿の種の横に、いつもピーナッツがある! みたいな事なんだよ、おじいちゃん。 |
祖父: | うう・・・・・・全然わからん。 |
NA: |
かわりにご説明します。 老人ホームのすぐそばに医療機関があるんです。 住宅型有料老人ホーム レインボー恵。 |
林屋 創一(はやしや そういち) 前 TOKYO FM 営業局専任局長 兼 CM制作ルーム部長 |
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1972年(株)エフエム東京入社。番組制作を経て1978年から専門職としてCM制作に従事。 CMプロデューサー/CMディレクターとして現在に至る。 最近では、公文、セイコーホールディングス、三井住友銀行、三菱電機などのCM制作を担当。 ACC・グランプリ&総務大臣賞、ラジオ広告電通賞、JAA・消費者のためになった広告コンクールJAA賞、 日本民間放送連盟賞最優秀、アジア太平洋広告祭(アドフェスト)ラジオベストなどを受賞。 |